サイエンス目標
銀河中心考古学:天の川銀河の形成史を解き明かす
5次元天文データによる天の川銀河と巨大ブラックホールの進化を結びつける天の川銀河の中心核の解明
天の川銀河のバルジの中心部の形成過程
中心核バルジがどのような構造を持ち、いつ形成されたのか、よくわかっていません。JASMINE はバルジの星や変光星 (ミラ型変光星) の位置と運動の様子を詳細に調べることにより中心核バルジの構造 (ディスク状あるいは棒状の構造) を調べます。
中心部の構造と天の川銀河の中心へのガス流入
銀河系中心部へどのように分子ガスが流入するのか、それによってどの程度巨大ブラックホールの質量が増えることになっているのかは未だ明らかにされていません。バルジ中心部で回転する棒状構造の回転速度や方向など、構造の詳細を明らかにします。
中心にある巨大ブラックホール
天の川銀河の中心には太陽質量の約 400 万倍という巨大ブラックホールがあることがわかっています。巨大ブラックホールがどうやってできたのかはまだ謎ですが、中心部の巨大ブラックホールの種となる複数個の巨大ブラックホールが周辺部から中心部に落ちて合体したとすると、その痕跡として、中心核バルジにある周りの星の運動分布に特徴的な影響を与えます (例えば、Tanikawa & Umemura, 2014, MNRAS, 440, 652)。そこで、まわりの星の運動を調べることによって複数個の巨大ブラックホールが過去に落ち込んできた証拠が見つかるかもしれません。
隠された星団の探査
中心核バルジにおける星団や星の起源を解明します。星団の位置と運動情報から星の年齢まで時間をさかのぼる事で、誕生した領域を探ります。時間がたって周りの星と区別がつかなくなってしまった星団 (隠された星団) も星の位置と運動の情報を調べることで発見できます。
超高速度星
通常の星よりも非常に速度の大きい星が存在します。そうした超高速度星の運動情報から過去にさかのぼる事で中心にある巨大ブラックホールの影響によって速度が加速されて飛んできたのかどうかを探ります。
重力レンズ効果
観測する星の前をブラックホールなどが通過する時に、星の見える方向が重力の影響でずれて見えます。巨大ブラックホールの形成のもととなる中間的な質量のブラックホールや太陽質量程度のブラックホールが存在するのか、またどの程度存在するのか探ります。更にはワームホールが存在するのかについても調べます。
ハビタブル惑星探査:生命の可能性を探る
中心核バルジ方向以外の天体の観測
系外惑星
惑星を伴う恒星は惑星の重力の影響によって動きに乱れが生じます。その動きを捉えることで系外惑星の探査をおこないます。JASMINE では、軽くて赤い恒星 (褐色矮星) のまわりにある惑星を見つけられます。
さらに JASMINE では、M 型星とよばれる赤い恒星の明るさの微細な変動を観測することにより、恒星の周りの生命が居住できる環境にある地球型惑星を見つける (大発見) ことができるかもしれません。
はくちょう座 X-1
はくちょう座 X-1 はブラックホールと超巨星が連星をなしている天体と考えられています。JASMINE では、はくちょう座 X-1 をある期間集中的に調べます。この天体の運動を詳細に調べ、超巨星の軌道を確定したり、星の表面現象や降着流、あるいはジェットの謎に迫ったりすることができます。
活動恒星
黒点、白斑、フレア現象があらわれると観測される星の方向がわずかにずれます。そうしたずれを測定する事により、どのような黒点や白斑、フレアが発生しているのかを調べます。







